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上杉謙信公旗揚げの地、
    新潟県長岡市

栃尾観光協会タイトル

◆石仏の宝庫、栃尾

【1】栃尾の山村で・・・

 「あっ、お人が見ております・・・」胞姫さま(半蔵金)胞姫さま(半蔵金)恥じらう女神を男神がひしと抱きしめ唇を交わす。今はなき樹齢400年を超える老杉の根元で初夏の陽を浴び、大胆な愛の営みをする神々の姿は、まさに山野の浮世絵であった。半蔵金の高台に建つ守門神社境内に祀られている道祖神・胞姫(えなひめ)さまである。
 道祖神という硬い名前とは程遠い、実に人間的な微笑ましい神々である。初めて出会ったとき、神仏のイメージとはあまりにかけ離れていたので、「えっ、これがご神体?」と思わず声をあげてしまったほどである。あのがんじがらめの封建時代によくぞやったと驚嘆するばかりである。

【2】栃尾の石仏外観

 栃尾には道祖神をはじめ庚申塔や馬頭観音、善光寺三尊など多種多様な石仏がある。中には全国的にもめずらしい石仏もいくつか存在し、 「石仏の里」「石仏の宝庫」と称され全国にも知られ、多くの愛好者が訪れている。
 特に道祖神像については新潟県内の約400基の内、栃尾の谷々にはなんと42か所、120基も遺存し、しかも下来伝に24基など本県最大の集積地でもある。 その多くは女性が徳利、男性が盃をもつ祝言の仲人姿であるが、中には先のように大胆な姿態をしているものやひっそりと寄り添い手を握りあうなど ユニークな像も見られる。
 道祖神は「村境にあって外敵の侵入や疫病の流行を防ぐ」というのが定説となっているが、栃尾においては定説とは大きく異なり、「さえの神さま」、「きんかんさま」あるいは「ほだれさま」などと呼ばれ、しもの病(性病)や子宝・縁結びの神、耳だれ(中耳炎)の神という現実の生活の中での切実な悩みを 救う神として信仰されてきた。江戸時代にあっては納税が村単位の皆済制度であったがゆえに、子供に恵まれないことは立派な離縁の理由となり得た。 そうした不妊や性病など、人にも話せない不安や苦しみからなんとしてでも逃れたい一心で道祖神が造立されたのである。 いわば庶民の救世主であった。したがって村境での防役といった公共的な目的での建立ではなく、個人が人知れずにひっそりと造立したものであった。 今日、石仏の中でも最ももてはやされているのがこの道祖神である。 しかし、愛好者が華やいで見るのとは裏腹に、封建社会という枠内において、どうにもならない切ない心がそこにあったことも深く知ってほしい。

道祖神群(下来伝)道祖神群(下来伝)

雪化粧の道祖神(二日町)雪化粧の道祖神(二日町)

道祖神(島田)道祖神(島田)

彩色のある道祖神(栃堀)彩色のある道祖神(栃堀)

【3】石仏と仏教

 なぜ石仏は造立されたのであろうか? しかも各地に寺院が沢山存在し仏像も多いはずなのに・・。 本質的な問題は実はここにあるといっても過言ではあるまい。あらためて考えてみよう。
 仏教の教えや仏像は人々の苦しみや悲しみを癒し、生きる勇気を与える存在でなければならない。仏師もそうした思いで、 より多くの人々に拝んでもらうことを願って仏像を刻んだ。しかし、仏像の造立といえば貴族や豪族、寺院といった一部の特権階級のものとしてなされてきた。 したがって仏像も当然のことながら限られた人々に独占されたり寺院の奥に祀られてきた。はなはだしきは「秘仏」にし、人々の参詣を断絶することさえあった。 結局、仏師の思いとは裏腹に、仏像は一般の人々の無縁な敷居の高い所に鎮座し、自由に拝める存在とはならなかった。しかし、江戸時代にいたると寺檀制度が施行され、寺院は民衆に先祖供養の奨励をなし、墓地や仏壇に位牌をまつることを布教した。人々はお墓をつくるにあたって、先祖供養に地蔵菩薩を造立したが、それを機会に村々のはずれや町内のしかる場所にも造立をはじめた。つまり、庶民でも自らの信仰する仏像の造立ができることを発見したのである。こうして庶民は初めて自らが信仰する仏像を自らの手で造立し自由に拝める世界を見いだしたのである。いわば、目に見えないところの大きな宗教革命といえよう。その象徴が石仏だったのである。
 世界に例のない路傍の石仏はかくして生まれ、特に医療の行き届きにくい山村に唯一の救いとして広まっていった。そして、目には不動明王など一病に一仏が配されるほど多くの石仏が造立されたのであった。
 こうした背景のもとに盆地の栃尾は長い時間の中に自らの石仏文化を築いていったのであり、いま私たちはその長い時間の蓄積を眺めている。

(文責・石田哲彌)

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